視能訓練士になるには?アイケアリストとの違いも比較!
視能訓練士になるにはどんな方法があるか、ご存じでしょうか?「視能(ものを見ること)」のスペシャリストである視能訓練士は、私たちが自分らしく快適かつ安全に暮らしていくのに必要不可欠な資格の一つです。
今回は、視能訓練士になるにはどんな方法があるかなどについて、詳しく見ていきましょう。また、よく比較されることが多いアイケアリストについても、どんな資格かご紹介します。
- 視能訓練士とは?
- 視能訓練士の主な仕事や役割
- 視能矯正
- 視能検査
- 検診・健診
- ロービジョンケア
- 視能訓練士は医療行為を直接行えない
- 視能訓練士の給与・就職先など
- 視能訓練士の給与
- 視能訓練士の就職先
- 視能訓練士になるには?
- 視能訓練士になる方法
- 資格取得の難易度
- 視能訓練士と比較されることが多いアイケアリストとは?
- アイケアリストとは?
- 資格の取得方法
- アイケアリストになる難易度
- アイケアリストの給与
- 主な就職先
- 視能訓練士とアイケアリストの違い
- 資格の種類
- 仕事内容や役割・勤務先
- 難易度
- 視能訓練士やアイケアリストについてよくある質問
- まとめ
視能訓練士とは?
視能訓練士とは、視能のスペシャリストです。1971年に誕生した視能訓練士は、視能に関するあらゆる検査や回復に向けた訓練、生活のアドバイスなどを行います。視能訓練士は国家資格で、取得には専門教育を受けた後に、国家試験に合格することが必要です。
スマホやパソコンを日常的に扱うことが多くなった今、視能訓練士の需要は高まるばかりです。
視能訓練士の主な仕事や役割
ここでは、視能訓練士の主な仕事や役割4つについて、詳しくご紹介します。
視能矯正
視能矯正は、視能訓練士の主な仕事の一つになります。弱視や斜視など、特に幼少期の子どもに多く見られる症状において適切に視能訓練を行い、正常な両眼視機能に導くのです。また、視能訓練に伴う視機能・眼位・眼球運動の各検査も同時に行います。
視覚が発達するのは、主に成長期までの子どもです。したがって、視能訓練士は、子どもの視能の異常を早期に発見し、改善に導くことが求められます。また、言葉でうまく伝えられない年齢の子どもと上手にコミュニケーションを取る能力も必要です。
視能検査
視能訓練士は、視能検査も重要な仕事です。目の状態を正確に判断するには、正しい専門知識の元、さまざまな検査を行う必要があります。視能検査の主な種類は、以下のとおりです。
- 視力検査
- 屈折検査
- 視野検査
- 眼鏡処方検査
- コンタクトレンズ検査
- 画像診断検査
病院に勤務している視能訓練士は、手術前の検査を行うこともあります。視能訓練士が持つ専門知識と積み重ねてきた経験は、眼科医療全般において必要不可欠なのです。
検診・健診
検診・健診も、視能訓練士の主な仕事です。病院のほか、学校・職場・保健センターなどの集団検診にて、視機能検査を行います。たとえば、以下のようなものです。
- 3歳児健康診査
- 就学時健康診断
- 生活習慣病予防健診
視能訓練士の検診・健診には、視能の異常を正確に見極め、眼病の進行予防や適切な治療につなげる重要な役割があります。大人は主に白内障や緑内障といった眼病、子どもは主に斜視・弱視などの早期発見と治療の促進が目的です。
ロービジョンケア
ロービジョンケアとは、病気やケガなどにより視力が低下してしまった方の見えにくさ(ロービジョン)をさまざまな方法によりサポートすることです。たとえば、以下のような方法があります。
- 個人の状況に合った光学的補助具(拡大鏡・単眼鏡・遮光眼鏡・拡大読書器など)の選定
- 視覚リハビリテーション施設との連携や紹介
- 日常生活において見え方を補うためのアドバイス
- 身体障害者手帳や障害年金の申請などのアドバイス
また、ロービジョンの方の悩みや困りごとを細かくヒアリングして精神的に支えることも、視能訓練士の重要な役割です。
視能訓練士は医療行為を直接行えない
視能訓練士は、医療行為を直接行うことはできません。医療行為を直接行うには、医師免許が必要になるからです。したがって、視能訓練士が医療行為を行うには、医師の指示を受けることになります。
しかし、医療行為を直接行えなくても、視能訓練士は健康な目・視力の維持・向上に欠かすことができない存在であることには違いありません。
視能訓練士の給与・就職先など
実際に、視能訓練士として働くといくらぐらいの給与をもらえるか、どんな就職先があるかについて詳しく見ていきましょう。
視能訓練士の給与
平均年収は、正社員で420万円程度、パート勤務を含めると380万円程度です。もちろん、経験を重ねるにつれて、さらなる年収アップも期待できます。ちなみに、パート勤務時の時給は1,800~2,000円程度です。
給与は勤務先によっても異なり、私立病院が高い傾向があります。なお、視能訓練士は、女性が多い職種です。残業や夜勤がほぼなく、家庭や子育てとの両立がしやすいことを考えると、理解できます。
視能訓練士の就職先
視能訓練士の主な就職先には、以下のようなところがあります。
- 病院(総合病院・大学病院・眼科専門クリニック)
- 教育機関・研究機関(大学・専門学校)
- 保健所
- リハビリ施設
なお、教育機関・研究機関に就職する場合、教員として学生を指導する際に、教員免許が必要になることがあります。
視能訓練士になるには?
ここでは、視能訓練士になるのに必要な条件などについて、具体的に見ていきましょう。
視能訓練士になる方法
視能訓練士になるには、高校を卒業後、以下のような学校で受験資格を得てから、国家試験に合格する必要があります。
- 4年制大学(帝京大学・北里大学など)の視能訓練士養成課程
- 視能訓練士養成専門学校(3年間以上)
- 大学・短大・看護師養成施設・保育士養成施設で2年以上、さらに都道府県知事指定の視能訓練養成学校で1年以上
資格取得の難易度
視能訓練士の国家試験合格率は、例年90%以上です。一見して難易度が高くないように見えますが、3年以上専門的に学ぶ必要があります。そのため、簡単に取得できると考えてはいけません。
また、国家試験は年に1回だけの実施です。きちんと対策を進めて確実に合格を目指す必要があります。
視能訓練士と比較されることが多いアイケアリストとは?
次に、視能訓練士と比較されることが多いアイケアリストについて、詳しくご紹介します。
アイケアリストとは?
アイケアリストは、目元美容のスペシャリストです。明るくて若々しい目元を目指し、丁寧なハンドケアや高性能な専用マシンによる施術を行います。
一般的なエステティシャンと異なる点は、目元美容に特化していることです。アイケアリストは、目元美容に必要な専門知識と施術力を持ち併せており、需要が高くなるばかりといえます。
資格の取得方法
アイケアリストになるには、専門の研修を2日間受けることが必要です。2日間の研修では、以下のような内容を学びます。
- 1日目(座学):フェイシャル美容・化粧品・眼科学・アイケア
- 2日目(実技):洗顔クレンジング技術取得・アイケアコースの技術取得・プロフェッショナルコースの技術取得
それぞれ60分の授業で、2日間の短い期間ながらも大変濃い内容になっています。この研修を無事に修了し、認定を受けることで晴れてアイケアリストになれるのです。
アイケアリストになる難易度
アイカリストになる難易度は、高くありません。やる気と真面目に取り組む姿勢があれば、どなたでもアイケアリストになることができます。
また、アイケアリストは学歴・年齢・経験不問でチャレンジできます。たとえば、結婚・出産を終えた女性も、アイケアリストとして活躍可能です。
アイケアリストの給与
アイケアリストは、目元美容のスペシャリストとして、高めの給与が設定されています。たとえば、私たちEYECAREでは、以下のようなモデルケースになっています。
- 月収例:23万~35万円(想定年収:350万~500万円程度)
- 勤務時間:10:00 ~ 19:00(実勤8時間)
- 休暇:完全週休2日制、5日以上連続休暇・夏季休暇・年末年始休暇あり
- 福利厚生:社会保険完備・資格取得支援手当・交通費支給
上記は、名古屋市におけるマネージャー候補の求人の一例です。基本給は、年齢や経験などを考慮して決まります。未経験者の応募も可能であることを考えると、働きやすくて好条件であるといえるでしょう。
主な就職先
アイケアリストの主な就職先は、エステサロンになります。アイケアリストの仕事は、目元美容の向上がメインでになるからです。目元専用エステサロンや、総合エステサロンでアイケア専門のスペシャリストとして働くケースもあります。
最近では、目元美容と整体・医療機関と連携する動きがあります。したがって、将来的には整体院や医療機関に就職するケースも増えてくるはずです。こうした意味からも、取得する価値のある資格といえます。
視能訓練士とアイケアリストの違い
視能訓練士とアイケアリストには、以下のような違いがあります。
資格の種類
視能訓練士は国家資格ですが、アイケアリストは国家資格ではありません。したがって、一般的に履歴書に書ける資格が欲しいのなら、国家資格である視能訓練士が有利です。
また、アイケアリストは、現時点では認知度などの点で視能訓練士にリードされているといえます。しかし、アイケアリストは目元の老化や眼精疲労などに悩む多くの人を救うことが可能です。そう考えると、大変有意義な資格であるといえます。
仕事内容や役割・勤務先
視能訓練士は、視能を向上させる、現状維持を目指す、視能検査やロービジョンケアを行うなど、主に医療分野での役割があります。勤務先も、主に病院などの医療機関が主流です。
一方、アイケアリストは、目元のシワ・シミ・クマ・むくみといった悩みを改善し、若々しく明るい目元に導くことが主な役割です。そのため、アイケアリストの勤務先は、主に民間のエステサロンなどになります。医師や看護師と共に働くときの独特の緊張感がなく、よりリラックスして働くことが可能です。
難易度
より難易度が高いのは、3年以上の専門課程の後で国家試験を受ける視能訓練士です。これらの専門課程は、高校を卒業してから進み、最低でも3年以上の期間と相応の学費がかかります。
一方、アイケアリストは、年齢・学歴不問です。2日間の専門研修を受けた後、認定試験を経て合格することで、アイケアリストと認定されます。認定後は、いつでもアイケアリストとして、働くことが可能です。目の健康に関わる仕事をしたいのなら、アイケアリストを目指すこともご検討ください。
視能訓練士やアイケアリストについてよくある質問
ここでは、視能訓練士やアイケアリストについてよくある質問に回答します。それぞれよく読んで参考にしてください。
Q.視能訓練士とアイケアリストはどちらを目指すべきか
A.どちらを目指すべきかは、やりたいことによって異なります。主に医療面での改善をサポートしたいのなら、視能訓練士がよいでしょう。一方、主に美容面での改善をサポートしたい場合は、アイケアリストが向きます。
Q.視能訓練士がアイケアリストになるメリットは?
A.視能訓練士としての専門知識があることで、お客様の目元の状態をより的確に判断することができるのがメリットです。また、目元美容のために足を運んでいただいたお客様の視能の異常を発見し、眼科の受診を提案するといったこともできます。
Q.アイケアリストは医療資格がなくてもなれる?
A.医療資格は必要ありません。アイケアリストが行うEYECAREは、医療行為ではないからです。メスや針を一切使わず、丁寧なハンドマッサージや高機能・高性能な専用マシンを使っての施術がメインになります。
Q.視能訓練士は女性のほうが多いと聞いたのですが?
A.はい、現時点では、視能訓練士の8割以上が女性になっています。視能訓練士は、視能の異常が見られる方のサポートを行う仕事であり、家事や育児と両立しやすい勤務形態であることが主な理由です。とはいえ、視能訓練士への関心と需要が高まる中、男性の視能訓練士も年々増えています。
Q.アイケアリストには更新制度がある?
A.特にありません。一度アイケアリストに認定されれば、半永久的にアイケアリストとして働き続けられます。ただし、目元美容の知識や技術、最新のマシンの導入などの適切な研修を随時受けることが必要です。
まとめ
今回は、視能訓練士になるにはどんな方法があるか、詳しくご紹介しました。国家資格である視能訓練士は、視能のエキスパートです。主に、視能矯正・視能検査・検診や検診・ロービジョンケアを行い、病院をはじめとする医療機関や大学・専門学校などの教育機関が勤務先になります。
一方、アイケアリストは、目元美容のスペシャリストであり、主にエステサロンが勤務先です。2日間の専門研修を受けた後に認定されれば、アイケアリストとして働くことができます。アイケアリストは年齢・学歴不問で、好条件で自分らしく働きやすいと好評です。視能訓練士を目指す方は、アイケアリストも同時にチェックしてみるとよいでしょう。
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著者プロフィール
氏名:三原昂洋
役職:視能訓練士
出身病院:帝京大学病院
専門得意分野:基礎医学大要、基礎視能矯正学、視能検査学、視能障害学及び視能訓練学、目元美容
経歴:帝京大学医療技術学部視能矯正学科卒業 2012年卒業
臨床経験の後、シェアリングヘルス株式会社にてヘルスケア事業に従事。健康で魅力的な目元をつくるリラク&エステ施術を監修。効果検証1,000件のエビデンスを基に店舗サービスを展開。